胸キュン!恋愛ストーリー
- ローマで出会った彼、一緒にいるうちにだんだんと心惹かれ
- ■ローマで出会った彼
私は20代前半にバックパッカーをしていました。それは、ある失恋の傷を埋めるために始めた旅でした。
旅では美術や建築を見て回りました。ヨーロッパを中心として、一人で気楽な3カ月の予定で旅行に出発。建築を見るために歩き回って、疲れたら昼間からバールに入ってお酒を飲み、一休み。とても気楽で楽しい旅でした。
はじめは慣れない一人旅ということもあり、いろんな人に助けてもらいました。同じバックパッカー同士、夜の街に繰り出すこともありましたが、正直、それでも失恋の傷は引きずっていました。
そんな旅の最大の目的は、オーストリアでクリムトの描いた『The Kiss(接吻)』を見ること。私はこの絵が大好きで、こんな恋愛ができたらなあとずっと思っていました。遂にオーストリアでこの絵を見ることができ、満足した私はイタリアのローマに南下しました。そこで出会ったのです。
彼はイタリアの映像学校に通う日本人学生でした。学費のために、安宿の客引きをしていたのです。私はその日その日で予定を立てていたので、もちろんローマ到着時には宿泊先は決めていませんでした。そしてローマの駅で彼に出会ったのです。
はじめは、何の印象も持ちませんでした。ただの客引きとしか思ってなかったのかな?でも一緒にサッカーを見に行ったり、観光したりするうちに少しずつ惹かれていく自分がいました。
■お付き合い開始、しかしお互いの夢のために……
彼はイタリアの風景、映画などが好きで映像の学校に入ったと言いました。学校の卒業までにあと2年はかかるとも言っていました。
私は傷心旅行ではありましたが、この旅行の間に少しずつ自分のやりたいことを見つけ出していました。看護師だったので、海外で何かボランティアができないか、なんて思ったり。
私は1ヶ月イタリアで過ごした後に、ほかの国を回ってから日本に帰国しました。彼とは連絡をずっと取っていて、日本に帰国した時に会い、約1年半付き合いました。その間私は自分の夢に向かい勉強をして、海外ボランティアに行くことが決まりました。
お互いに十分話し合いました。そしてお互いの夢の実現に向け、別れることを決めました。
付き合った期間中、実際に会うことができたのはほんの数回です。でもとても密度の濃い時間だったと思えます。
今でもイタリアにある青の洞窟の映像を見るたびに彼を思い出します。
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