胸キュン!恋愛ストーリー

緊張しちゃって口が開けない……先輩との初デート
■背伸びして挑む、一個上の彼とのデート
高校になって初めて出来た彼は一学年上の先輩でした。委員会で一緒に仕事をしていた彼は背が高く大人っぽくて、私はいつもドキドキしていました。そんな彼とのデートを目の前にして、私は緊張MAX!どんな服を着て行けばいいのか、髪型はどうすればいいのか、会話が続かなかったらどうしようなんて、デートの日が近づくにつれて悩みも大きくなってきました。
前日に届いたメールに書いてあった行き先は美術館。可愛い服を選べばいいのかな?それとも大人っぽい服を選べばいいのかな?髪型はおろした方がいいのかな結んでいくべきかな……と思い悩んだ結果、結局無難な服装を選んでしまいました。
デート当日、何回も鏡を確認した後、買ったばっかりのヒールをはいて待ち合わせ場所に。そこには既に待ち合わせ場所に来ていた彼が待っていました。私服姿でたたずむ先輩は格好良くって、先輩じゃない、知らない大人の男性のよう。服装について何か言われるかなと期待していたのですが、先輩は私をチラッと見ただけで「じゃあ、行こうか」と歩いて行ってしまいました。
私は緊張しすぎてろくに話も出来ず、必死に先輩の大きな背中を追いかけます。会話も弾まないまま歩き、私達は目的地の美術館に到着しました。

■彼とはぐれた!必死で探した結果……
彼と並んで歩く美術館は新鮮ではありましたが、特に二人の距離が近づくこともありませんでした。私は美術館の大人っぽい雰囲気に押されてしまって口を開くことさえ難しく、結局一言も口を利かないまま美術館を出ました。
感想を求められたらどうしよう、気の利いたことを言わなくちゃと私は追い詰められ周りも見えていなかったのでしょう。気付くと先輩の姿はなく道端に一人取り残されてしまいました。急いで館内に戻りましたが先輩は居らず完全にはぐれてしまったようです。探しに行こうにもヒールでは走ることもできません。
泣きそうになりながら美術館を出て道を右往左往していると、突然肩をつかまれました。驚いて振り返ると、そこには息を切らせて汗だくになっている先輩の姿が。「良かった」とつぶやきながら、先輩は「スニーカーじゃないから走りにくかった」と横の壁に寄りかかりました。先輩は卸したてのように綺麗な革靴をはいていて、私は自分のヒールの靴と見比べて、実は先輩も背伸びして緊張していたということを知ったのです。
それからいつも学校帰りに寄る図書館に移動すると、二人とも何故か安心した雰囲気になって会話も弾んできました。「雑誌やネットでデートコースとかを調べたけど、やっぱり慣れない場所は上手くいかないな」と先輩は言い、私の服や靴についても可愛いけれど無理しなくて良かったのにと笑ってくれ、次は行き慣れた場所でデートしようねと約束しました。

« 前のページへ戻る

TOPへ戻る